デブと履き物

自転車に乗るのに必ずこれをはかなくてはならないと言うものはないが、自転車に乗るのに不都合な履き物と言うのがある。

まずは、下駄。私はバンカラ(死語か?)な高校に通っていたので、高校三年間は下駄で通学をしていた。で、駅から高校までは結構な距離があったので、下駄で自転車に乗ったのだが、これが結構大変。

下駄の歯の間隔とペダルの幅が同じだったのだ。

従って、結構頻繁に下駄とペダルが一体になる。ビンディング下駄の状態。これが起こるのは焦っている時と赤信号や一時停止の時。そうすると、素足で足をついて、いったん降りて、下駄をはがして、再スタートという羽目になる。

このような事態に陥らなくても、足が滑って脱げてしまったり、雪がペダルと下駄の歯の間に詰まって、しかもそれが凍ってどうしようもなくなったり、結構いろいろなことに遭遇した。従って、やめた方が良い。


次にやばいのは、サンダルや草履でかかとひものない物。これは、下駄と違いビンディング状態にはならないが、滑って脱げることがある。自転車をがんばって漕いでいる時にずるっと滑って脱げてしまうと、サンダルは飛ぶし、足は勢い余って地面についてしまうし、見た目が派手でよろしい。が、あまりやりたい物ではない。足首をひねっていたい思いをすることもある。できれば避けた方がよい。


で、意外ときついのが今時の運動靴。なぜかというと、今時の運動靴はクッション性能を上げるためにかかとが広い物が多い。このかかとがクランクに当たってものすごく邪魔になるのだ。内股で漕ぐ人は問題ないだろうが、少しでもがに股になるとかかとが当たる。うっとうしいことこの上ない。

また、素足に近い感覚とか言って、シューズのそこが柔らかい物が多い。そうすると、ペダルがもろに足に食い込んで、痛い。痛いと言うより激痛を発する。

以上のことから、運動靴は避けた方がよろしい。もしどうしても運動靴が良いなら、クランクと干渉しないか、底が柔らかすぎないか確認してから買うと良い。


トレッキングシューズも同じで、かかとが広い物が結構多いので干渉しやすい。ただ、靴底はそこそこ堅いので、激痛を発するようなことは少ないと思う。ただ、形と通気性に難があることが多いのでそこがクリアできたら問題なし。


タウンシューズというか、ウオーキング用のシューズも、かかとの大きさと底の形がクリアできれば問題なし。


つまり、普通の靴は意外と自転車には合わないのだ。


自転車には自転車用の靴がある。それには二種類あって、ロード用とMTB用だ。自転車に乗る時は、素直に自転車用の靴を履くことをおすすめする。クランクに当たるとか足の裏が痛くなるとかの問題が少ないのだ。


自転車のペダルを踏む時はそれなりの踏み方がある。一番上の状態から、少し前の方に蹴り出し、少し回ったら下方向に押し下げ、下では踏んだ犬のうんちを地面にこすりつけるように後ろの方にずらし、後ろは引き上げる。このように足を回転させることで、様々な筋肉を使ってスムーズに力強くペダルを回すことができる。

ママチャリのペダルのように突起が無くつるつるしている場合、押し下げることしかできない。前に蹴り出そうとしても滑るし、後ろにずりさげようとしても滑るし、上に引こうとすると足がペダルから離れる。だから、ママチャリのペダルでは効率的なペダリングができない。


先ほどビンディング下駄と書いたが、自転車のペダルには、靴についている金具と結合するような機能がある物がある。スキーやスケボーの板の留め具のような物だ。これを使えばペダルと靴・足が固定されるので、くるくる回すペダリングが可能になる。

この装置がついているペダルをビンディングペダルと言い、靴につける金具をクリートという。


ロード用の靴は、クリートを止める穴が必ずついている。で、細身で靴底が堅い。靴底がカーボンなんて物もある。加えて、通気性が良く、軽く、足にフィットできるように調整ができる。したがって、足の力はフラットな靴底で受け止められ、クリートからペダルへ伝達される。普通の靴のように、ペダルと接地しているところだけで力が伝達される、つまり、点や線で力を受け止めるのではなく面で力を受け止めるので、いくらがんがん踏もうが足の一部が痛くなるようなことはない。

問題は、自転車に乗っている時は快適なのだが、地上を歩くようには作られていないので、コンビニに入ったりするとうるさいし、何よりつるつる滑る。長距離は歩けない、機能が特化した分、仕方がない。

ただし、それは足にフィットした靴の場合であって、幅広甲高なデブの足では、そうはいかない。

外国ではどうかは知らないが、日本で売られているロードシューズは、細身だ。幅が狭い。なんせ、3Eが幅広と言われる世界であって、5Eなんて絶対にない。

幅広甲高デブ足の場合、とりあえずでかい靴を履いていれば靴は入る。ロードシューズも同じで、でかい物を選べば足は何とか入る。ところが、ここに問題があるのだ。

クリ-トの位置である。

ペダルを踏む時は足の拇指丘、つまり、足の親指の根本の肉の厚いところで踏むようにする。これよりかかとよりだとうまく力が伝わらず回転させられないし、つま先よりだとふくらはぎに余分な力がかかり疲れてしまう。

クリートの位置は、拇指丘に会わせることが鉄則だし、実際ペダリングが楽である。

ところが、実際の足のサイズよりでかい靴を履くと、クリートの位置をどんなに調整しても、つま先よりになってしまう。

自分の場合、実際の足のサイズは25.5cmなのだが、やっと見つけた4Eの靴のサイズは28.0。そのため、どんなに調整してもクリートの位置が拇指丘の前3cm、親指の付け根になってしまう。そうすると余分な力が入り疲れが違うし、足がひどくしびれる。クリートのペダルへの脱着も、スムーズに行かない。

ロード用のシューズは、きちんとフィッティングできれば理想的だが、そうでなければ害悪になってしまうのだ。

私は3足買って、結局あきらめた。


次にMTB用の靴である。

MTB用の靴は、ロード用に比べて、ごつくて重い。地上を歩くことができるようにできている。できるようになっていると言うよりは、登山でもするような感じになっている物もある。もちろんクリート用の穴も開いている。(ロード用のクリートとMTB用のクリートはかなり違う。)

地上を歩けると言うことは、靴底がしなると言うことだ。もちろん、登山靴や運動靴のように柔軟というわけではなく、そこそこの強度を持った上でしなるという感じになっている。

したがって、ロードのように面で踏み込むと言うよりは、線や点で踏み込む感じが残る。だから、残念ながら長時間乗っていると足裏の一部が痛くなってしまう。しびれも起きやすい。特に、MTB用のビンディングペダルだと、足が痛くなりやすい(とは言っても、普通の靴よりはずっとまし)。

また、ロードと同じように幅の問題とクリート位置の問題がある。靴の大きさ的な自由度が若干高いのでロードよりはましだが、1~2cm前で踏まなくてはならない。

自分的には、ロードシューズよりも痛みの問題はきついと思った。一度乗っただけであまりの痛みにクリートはすぐ外した。


ということで、ロード用もMTB用も、結局だめである。困った。どないしよう。



で、いろいろ考えて出したベターな答えは、でかいMTB用のペダルをつけて、クリートなしのMTB用の靴で乗ると言うことである。


MTB用のフラットペダルで、ウエルゴのMG1のような、えぐいピンが何本も植立しているようなペダルは、靴のゴム底にがっちりと食い込んで、引き足(上へ引く)以外は問題なく対応する。引き足も、踏み足の邪魔にならないように加重を抜く分には問題なく使えるので、効率的なペダリングが行える。また、踏み面も広いので、面で踏む感じがあるので足が痛くなりにくい。ただ、自分の場合がに股で足の外側が強く当たるので、ペダルの外側のピンの効きを弱くしている。

このペダルの問題点は、ピンのねじが鋭いので、ふくらはぎなどにちょこっと当たっただけで切れてしまうこと。立ちごけなんかした日には目も当てられない大惨事になってしう。流血のペダルだ。

また、ピンの効きが強いので、止まる際などに足が引っかかってしまいこけることがある。疲れて足が動かなくなると結構引っかかるので、要注意だ。もっともクリートもおなじようなものなのだえ、どちらにしても気をつけなくてはいけないのだが、こけた時のダメージはこちらの方がずっと大きい。


シューズにSPD(シマノのクリートの名前)非対応を選ぶのは、底がフラットだからだ。フラットだと、フラットペダルのピンが確実に食い込んで力の伝達効率が良いし、足も痛くなりにくい。クリート対応の物だと、ゴム底の凹凸が激しいのでピンに刺さり損ねる可能性があるし、クリート取り付け金具をゴムでふさぐタイプの物も、そのゴムを取り付ける金具がピンに当たって滑る・ずれる事がままある。もっとも、普通はピンには当たらない位置にあるのだが、何せ足を置くところが標準よりも4~5センチもずれる事があり、メーカーの想定とは異なってしまうのだ。

もちろん、もっとかっこいい物でも、きちんと使用できるなら問題はない。なにせ、若干通気性が悪い靴なので、足が蒸れ気味になることがある。また、小石ガードは邪魔なので切り取ってしまった。と、使い勝手はそんなに良くはない。



フラットペダルとSPD非対応靴の組み合わせで、ペダルの軸の上に拇指丘をきちんと会わせると、快適に力強くペダリングができ、なおかつ疲れが少ない・・・・・・ような気がする。




ちなみに、自分ができるペダリングは、蹴り出しと踏み込みと加重抜きの引き足だけである。平地の場合は踏み込みだけだったりするし、結構いい加減である。






"デブと履き物" へのコメントを書く

お名前
メールアドレス
ホームページアドレス
コメント